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人工の香りが 天然の精油の香りと異なる理由

実は、香料メーカーは天然の精油とほぼ同じ香りを作り出すことが出来ます。以前とは比べ物にならないほどナチュラルでアロマティックな香りがついた製品も、最近では多く目に触れるようになってきました。ボタニカルブームも定着しつつありますね

講座ではよく生徒さんにお話ししているのですが、精油の中身は「香りのついた化学物質」=「芳香分子」なので、この物質と組成が明らかになっていれば同じ香りを作り出すことができる、ということになります。

例えば、ラベンダー・アングスティフォリア(真正ラベンダー)は、モノテルペンアルコール類の「リナロール」が30%~50%、次いでエステル類の「酢酸リナリル」が25%~45%、成分として入っています。他にもごく少量含まれる芳香分子が数十種類、分析表に記載されているので、含まれていることが分かります。この組成をそのままコピーしたら、ラベンダーの香りを作り出すことができるのです。

ただ、、私見ですが人工の香りのものは、どんなに嗅いでも天然の精油の香りがもたらす「心地よさ」「体のコンディションの変化」までは起こらないのです。素敵でナチュラルな香りなのですが、「ああ、いい香り」だけで終わってしまう。

何がこの違いを生み出しているんだろうと、ずっと疑問でした。
仮説として、「検査で検知されない『何か』が精油には含まれている」と考えていましたが、最近NHKで放送された番組内で、その『何か』にあたるものかも知れない物質について紹介していました。
(植物になり切った濃いキャラ達を前に、堺雅人さんが半笑いでフリーズした顔がツボ・・!)

それは、植物間のコミュニケーションのための物質です。
話すと15分くらいの内容になるため超割愛しますが、植物は生命を脅かす刺激を感じとり、化学物質を駆使して撃退したり、応援団となる生物を呼び寄せたりすることが研究で明らかになってきているのです。
精油にもこの物質が含まれている可能性は十分にありえます。
なお、精油の解析や研究はまだ未発見が多くあり、今後情報が増えていくかと考えられます。

植物たちは知らないところで本当に様々な物質を駆使して、あらゆるリスクに対処して力強く生きている、と思うと、精油、というものへのリスペクトが更に強くなってきます。植物の命そのものだなと感じます。

精油とアロマの世界の奥深さについては、KREAではこのような植物学、解剖生理学、化学、歴史、栄養学などなどをミックスしてお伝えしています。
アロマ商品やオリジナル調香は、こういった知識がベースとなりとってもしつこく・・もとい、丁寧に作っています。
「良い香り」の二、三歩先の世界 なかなか面白いですよ♪